[MARUL-006] 転校生 - Re:転校生



      こんな学校にも転校生がやってきた。仲良くなれるだろうか。
     生まれた時から転校生だった、と彼女は言った。教室のざわめきを遠くに聞きながら、カーテンの揺れる窓の向こう、校庭をぼんやり眺めて。
     「普通の未来」は最初からあきらめていた。小さな部屋でゲームとネットとアニメだけを友達に、息を潜めて暮らしていた女の子。学校にも行かず、アルバイトも続かず、膝を抱えながら、でも彼女はひそかに歌を歌っていた。歌うことで初めて世界と繋がれた。
     ある日、彼女は夜行バスに乗った。キーボードとPSPだけを持って――
    今にも壊れてしまいそうなギリギリのバランスで、水本夏絵は歌っている。かなしみもさみしさも怒りも、そしてほんのちょっとだけある希望も、全部そのままにつめこんで。透明で嘘がない彼女の歌は、きっと他の誰かにとっても自分の歌になるだろう。これが転校生のファースト・アルバム。
    芳川よしの (Pollarstars)、Hercelotによる入魂のリミックス!

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